少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

628 あとかたづけ

4/16〜19までの4日間、僕は東北大地震の余波で壊れたコレクションのあとかたづけと、壊れないように棚に飾ってあった全てのコレクションの梱包作業に全ての時間を費やした。
僕のコレクションは細かい。そして繊細な陶器、ガラスの類いが多い。しかもアンティークでそのすべてが一点ものだ。母親から預かっているコレクションも含めれば、その数は1000とか2000とかのレベルじゃない。数えたことはないが、紙ものまで含めれば1万は軽く超えているだろう。金額的には安価なジャンクがほとんどだが、値段じゃない。みんな我が子のように可愛がっている者たちばかりだ。だから、普通の人には信じられないだろうが、その9割は仕入れた場所やストーリーはすべて記憶している。「ああこの子は、あそこでこうして見つけたんだ」とか「あの子は誰々に譲ってもらったんだ」とかね。
だから地震で落下して壊れた子の片付け作業は悲しかった。されど、被災者のことを考えたら「この程度」で済んだことは幸運かも知れない。販売価格でいうと、だいたい100万円くらいはやられてしまった。
僕らコレクターの最大の敵は、やはり地震だ。ショーケースにコレクションを並べ、どの位置からでもよく見えるようにと工夫する時間が、僕には癒しの時間だからだ。梱包してショーケースの中が段ボールでは悲しすぎる。
そういえば以前のお客さんでアルフィー坂崎幸之助さんがいた。坂崎さんはアンティークのガラスのコレクターで、やはり地震が恐くてショーケースに飾れず梱包しているそうだ。世田谷にマンションを2世帯持っているが、1室は完全倉庫状態。もうひとつは住居の予定だが、コレクションを梱包した段ボ―ルと段ボールの隙間で寝ている、と言っていた。さすがである。
もうひとり、以前のお客さんで、オキュパイド・ジャパン(占領下時代)の陶器のコレクターさんがいた。僕がアメリカでの仕入れから帰国すると、彼の家に全部の商品を車で持っていく。彼はそのほとんどを購入してくれた。金額にして約100万円くらいだ。その彼も、一週間だけ自宅のショーケースに飾り、新しく来た子たちを眺め、悦にひたると、あとは地震に備えて、全部梱包して仕舞うのだそうだ。そりゃ壊れたらン千万円のコレクションがパーだから、気持ちはよくわかる。
お互い、どうしてこんなもんにハマってしまったのだろう・・・と慰めあったもんだ。彼は僕が商売を始めた最初のお客さんで、それが縁でウチの税理士さんになってもらった。
今は、佐野元春さんの専属の税理士をしている。先月の地震、大丈夫だったろうか?