738 緊急近況報告4
とにかく一人でいい。スキルス性胃癌を克服された方を見つけ、その事実をRさんに伝えたかった。今、彼女に必要なのは期待や祈りや希望ではなく「事実」なのだ、と僕はそう思ったからだ。
T班長以下、班の方々が必死に探しはじめてから一か月。ついに「事実」が見つかった。
昭和64年1月、当時42歳でスキルス性胃癌を克服された女性信者さんがいる。名前も班名も判明した。
僕は頭の中で計算した。当時42歳、現在は平成23年。存命していれば65歳。しかし、スキルスで23年の存命は厳しいか?。彼女には、大変失礼だが、正直、僕はそう思ってしまった。仮に彼女がお亡くなりになっていたとしてもご家族に話を伺いたい。僕はそんな思いで千葉県野田市にある教会の本部に電話を入れ事情をお話しした。
その10分後、なんと女性本人から、僕の携帯に電話がかかってきた。実は僕はまだ、三宿の国立リゾートに幽閉中の身だったが、日時が決まれば女性はどこへでも出かけてくださるという。
9/8に出所が決まっていたため、翌日の9/9にセッティングした。
彼女の名前が判明してからRさんに電話を入れ、アポにこぎつけるまですべてのやり取りに要した時間は40分。一時間も要らなかった。これが「運」というものだと確信した。
彼女の名前は仮にAさんとする。手術をする前からの信者だが、彼女の術後5年の生存に手術した外科医さえも驚嘆している。現在65歳、実に若々しい女性である。
Aさんの実体験談をRさんは2時間半、聞き、質問したりして「ほんま勇気が出るわあ」と言ってくれた。
聞けばRさん、62歳になるご主人も癌だそうだ。
「主人と相談してみる」とRさん。そこから先に立ち入るほど親しい関係ではない。案の定、他の友人知人からもたくさん宗教のお誘いをいただいているので・・・と言っていた。
要は彼女が助かるなら何の宗教でも、何の民間療法でも、何のサプリメントでもかまわない。これが僕のスタンスで、まだ居るはずのスキルスからの生還者を探すのみ。これが情報屋としての僕の使命だと、改めて痛感した。