2009 安曇野紀行9
名残りは惜しいが、これ以上、お茶をすすれば、ここの居候になりそうなので暇(いとま)することにする。
「ところで、猿がどうされたとか・・・」
「それなんです。猿が、家の屋根で運動会をするもんで、もう賑やかで賑やかで・・・。まあ、日向ぼっこにちょうどいいみたいで、ウチの屋根が・・・」
「猿の日光浴・・・」
「日光浴はいいんですけど、きゃつら、困った癖があるずらよ」
「不凍管」だったか「不凍線」だったか忘れましたが、要は、水道管が凍らないように、雪国では屋外に露出した水道管に熱線を巻き付けて冬を過ごすそうだ。どこかの家庭で、これを怠ると、水道管が破裂して周辺は断水騒ぎになるという。雪国は大変だ。
その「不凍線」なるもの、総理は見たことがないので、ご婦人に見せていただいた。
水道管に熱線を巻き、その上からテープでぐるぐる巻きにするのだが、温かいからだろうか、猿が興味を持ち、「中はどうなってるんだろう」と言いながらテープを剥がしてしまう。
挙句は、何を思ってか、コンセントを抜いていくので、毎日、チェックするのが、ご婦人の日課。
夏は、ノンキにこのテラスで沢のせせらぎを聴きながら、ビールで読書。
もうひとつの悩みは膨大な松林。暴風で折れた松が、隣家を直撃すると修理代を払わなくてはならない。かと言って、伐採するにも、業者を呼ぶとン十万単位になるそうだ。この、たった一個のまつぼっくりが、二年ほどで、下の写真くらいの松に成長するという。
猿と婦人と別荘に別れを告げ、ミンキーおばさんを探しに行く。
(も少し続く)