5064 破壊される街・渋谷
12/13/19
私は元来、東京が好きで、特に四谷荒木町、牛込柳町〜神楽坂、神保町、浅草の一部。江戸情緒、文明開化の明治、大正ロマン、昭和エロスの香りが、このカオスの歩きスマホ馬鹿野郎時代でもかすかに香る街が好きです。
よって渋谷はどちらかといえば、好きな街ではありません。
それでも、ホンモノのハチがまだヤキトリをねだり、東急東横店の屋上で子供機関車が走り、ロープウェイで往き来でき、チンチン電車が神宮球場まで走り、宮下公園裏のバラック飲屋街にボッタクリもなく、安藤昇が風切っていた時代は好きでした。
てなわけで、先日オープンしたかつての東急プラザへ招待され、初見参ですが、時代に逆行した不細工な建物作りやがってンナロー、というのが正直な感想です。
「どういうコンセプトで作りやがった?」と通りすがりの飲食店店員に尋ねると「かつてご愛用していただいた古いお客サマにも、新しいお客様にも、喜んでいただけるようなイメージで建てました」だと、ぬかせ!
そんなおとぎ話がどこにあるのか、お花畑たちよ!
まあいい、ワシの管轄外だが、古き良き時代の終焉と夢なき地獄の時代の幕開けよ。
渋谷だけ、東京だけではなく、地方都市も、例えばあんまき高校がある名鉄知立駅も、安城北挑戦中学がある名鉄新安城にも、さらに東岡崎にも、ノスタルジー情緒満点の駅ビルを破壊して馬鹿ビルを新設し、名鉄全駅金太郎飴化、「私は誰、ここはどこの駅」化を推進し、例えば、小田急、京王線のごとく、どこで降りても同じ顔した駅の駅ビルには、やはり金太郎飴チェーンの立ちそばと、オシャレなだけで味のないパン屋、販売努力なきロボット化した店員による心なき接客のオンパレード。
嗚呼、古き良き渋谷たちよ。
来年の桜舞う頃には、東急東横店も全て、土に還るという。
利益最優先のクソ人間どもは、きっと利益を回収出来ず、赤字の獄にまみれるだろう。
その建物のセンスの悪さ、利便の不快さ、金額のバランスの悪さを見れば、誰もが異議を唱えまい。