少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

591 再会上海4

CSは僕がかつて見たことないほどの自立心の旺盛な子。
「だって、私、何でもひとりでできるもん」というCSのルーツは彼女が小学4年のある日のこと、父から1台のカメラといくばしかのお金を渡された。「これで、ひとりでバスの切符を買って、好きなところに行き、そしてこのカメラをあげるから、写真を撮ってきなさい」と。
中国人の父と日本人の母。ひとり娘のCSはそんなふうにして育てられた。
上海の高校を卒業した18歳に、父はマンションと留学とどっちがいい?と切り出した。「お前に上げられるお金はこれしかない。マンションを買えば、生活には困らない。でも、そのお金で留学してもいいんだよ。自分で決めなさい」
CSはふたつ返事で留学を選んだ。そして日本語学校で日本語を学び共立女子大に一般試験で入学。一年のアメリカ語学留学を経て、現在同大学の新四年生。将来は「子どもの頃から社長さんになりたかったから、社長さんになりたい」という。きみならきっと社長さんになれるさ。
僕のお気に入りのアンティークカフェでコーヒーを飲み、「G」で食事、そして3階のバ―でずっと話込んだ。気が合うのだろう、会話が止まらない。11時を回ったので彼女を自宅までタクシーで送り届けた。
実家の両親は「もう大学を辞めて、上海に戻りなさい」と言う。こんなところにも原発事故はひとりの人間の人生を左右させてしまう。
CSは「絶対に卒業したいから戻らない」と言う。
僕が、彼女の親か彼氏だったら、やはり戻したいだろう。しかし、そうはいかないところがCSの魅力なんだろう。
上海、NY、東京、世界3大都市の全部で会える人はそうはいない。いい縁に違いない。