少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

727 縁(えにし)1

1991年3月、僕は湾岸戦争の取材のため戦地イスラエルへ行きました。
当時、東京中日スポーツを辞め、フリーランスの立場だったので、正式なプレスパス(取材許可証)もなく、身の安全は保障されていません。一般人に紛れてのゲリラ取材です。隣国のヨルダンから、国境となるヨルダン川を渡り、イスラエルに入りました。
その時、ヨルダンのホテルで日本から来た7〜8人の民間の支援団体の方々にお会いしました。そして彼らは全員が全員こう言いました。
「私たちは、生まれて初めてこの地に来ました。でも、ぜんぜん初めて来たという感覚がないんです。日本で生まれるずっとずっと前に、この地で暮らしていたと確信できました。本当に来て良かったと思います」
彼らは特定の宗教団体とかではなく、口コミで集まった任意団体で、出発の成田空港ロビーで初対面という人もいたという。ただ、経費節約のためロシアルートの航空機で来たため、機内に預けておいた支援物資などが盗難に遭いそのことだけは後悔していた。
つまり、これが「輪廻転生」ということなのでしょう。
僕自身、その時には、彼らのような感覚にはなりませんでしたが、それから、多少の人生経験を積み、何人かのスピリチュアーと出会い、自分もこの周辺の何処かにいたんだなあ、というおぼろげな感覚が、だんだんと確信に近づいてきました。
歴史をひもとくと、紀元前1500年ころ、まだユダヤ民族という呼称はなく遊牧民ヘブライ民族としてエジプトで暮らしていた彼らは、当時のエジプト王国から、いわれのない迫害と差別を受け、奴隷として扱われていました。
そして紀元前1300年ころ、預言者モーゼが奴隷の民を率いてエジプトを脱出するのです。これが、僕らが高校生の時に使った世界史の教科書(詳説 世界史 山川出版社 昭和51年3月5日発行 定価=文部大臣が許可し官報で告示した定価←なんのこっちゃ、不正搾取の疑念あり)の22ページに一行だけで「出エジプト」と記されているのですが、これは後に詳しく書きます。
後にこのヘブライ民族はヨルダンを経て、ヨルダン川を渡り、イスラエル国ジェリコという町に入ります。このころからユダヤ民族と呼ばれ、今なお続く、パレスチナとの殺戮の歴史が始まるのです。
僕が1991年に、3300年前と同じアレンビー橋を渡ったのも、何かの縁なのかと、最近強く思うようになりました。(つづく)