少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

852 ハムカツサンド

ハムカツサンドが無性に食べたくなって、夕暮れの街を彷徨った。
ある時はあるのに、ないときは無い。まあ、だいたい何でもそんなもんだ。
知立高校に行って、はじめてハムカツサンドというものを食べた。無理もない。安城北中学から自転車で自宅までの約二里の道程は田んぼの他には、米屋と酒屋くらいしかないのだから「買い食い」という単語さえない時代だ。長野の北アルプスの吹きおろしをもろに受け、さらに三重の伊吹おろしを横から受け、推定風速40メートルの中を自転車こぎこぎだ。肉屋のコロッケはあってもハムカツなど知ろうはずがない。
高校では昼になると、専用のプレハブに牛乳とパンを売りに来る。おそらく女子は無縁の世界だ。人気のあるパンの争奪戦になる。
もちろん毎日、弁当は持ってくるのだが、そんなもの2時間目の授業までに完全に消化されてしまう。運動部員だ、仕方あるまい。
で、プレハブに走るのだが、3年生の不良どもが来る前にゲットしなければ一悶着が起きる。きゃつらの目当てはハムカツサンドではなく、やきそばパンなのでバッティングはしないのだが、横から割り込んで来るので面倒くさい。2年にもチンピラがずいぶんいたから、1年生は速攻で買い逃げが暗黙のルールだった。
で、そこのハムカツサンドがでらうまで、僕は、いまだかつて、このハムカツサンドを凌駕する逸品に出会っていない。
本日は(実はいつものことだが)反抗勢力の手によって台所を占拠され、自炊が不可となり、仕方なく外出。思い切ってハムカツサンドを2個喰いしてやろうと自宅を飛び出したというわけです。
井上陽水さんの「探しものはなんですか〜」(夢の中へ)を口ずさみながらコンビニ4軒、食品スーパー3軒を回りましたが、見つかりませんでした。歌詞では「まだまだ探す気ですか〜?」と問われるのですが、もう探す店がありません・・・。というわけで、10号通り商店街まで行き、いつもの「松屋」へ。新春キャンペーンは1/9から。定価で喰うまいと誓ったばっかなのに、思い通りに行かぬが世の常である。
されど、前回の反省を試金石にして牛丼(320円)ではなく豚丼(290円)を所望す。相変わらず平成の姥捨て山のような客層だが、ここに来られる人種はまだ生存が認められていると言ってもいいだろう。
ああ、背もたれのない、丸椅子だけど、店内は温かい。ここに10分しかいないのがもったいない。本でも持ち込んで二時間くらい暖を取りたいものだ。