9/9(金） 朝いちばんでヨドバシカメラに行く。電磁波人間の僕は過去に６台のパソコンをぶっ壊した。６台のうち５台は全く触れずに、もしくはちょっと触っただけだ。
初代、二代目、三代目、四代目は東芝のダイナブック。僕の前にパソコンが来ただけで動かなくなった。ヤマダ電機のお兄ちゃんは半ベソ。五代目でようやく機能した。しかし、五代目は仮面ライダー２号が地球制覇を目論み、机から落下させて破壊した。保険で六代目を購入した。これは寿命まで使えた。七代目はじゃぱネット高田で購入した富士通のFMV。一晩で動かなくなった。係員が飛んできた。原因不明の故障だと係員。原因がわかっているのは僕だけだが、とりあえず新品の八代目が来た。そして今度はそいつが「危険信号」。まあ４年は使ったのでよく頑張った方だ。そして、今、たたいているのが九代目。
小型だと小さすぎるし、スタンダードだと移動に重すぎる。で、中間のサイズに決めた。1.82キログラム。いい感じだ。問題はどの機種にするか？僕が本当に欲しかったのはNECだ。なぜなら「まゆゆ」がメインでCMしているからだ。彼女が「買ってください」と言っているのだ、買うのが武士というものだろう。されどその武士は今や落ち武者として余禄がござらん。「まゆゆ」のNECは10万円もする。泣く泣く店員に「いちばん安いのを紹介してくれ」と無理を言う。店員は僕の事情を察したのだろう、バテレン製の４万とか５万の商品を案内した。
「ちょっと待たれい。拙者、腐っても鯛は鯛。今、東日本大震災で日本が大変な時に、さすがにバテレン製品というわけにはいくまい。国産品でいちばん手ごろなものを所望する」と。
「めんどくせえオッサンだなあ」という顔ひとつせず、店員はSONYのVAIOなる商品７万５千円を勧めてくれた。「まゆゆ」との差、たかだか２万５千円。このわずかな金銭のためにいたいけない彼女を裏切る人非人とは俺のこと。今、彼女の顔をまともに見れない。されど僕は２万５千円の差額と引き換えに重い十字架を背負うことにした。
しかも支払は６回の分割払いである。武士として、いや人間としてどうなのか、と問われる金額でもある。しかし、これが現実。
岩清水弘は本当に早乙女愛のために死ねるのだろうか？でも、現実問題として早乙女愛ちゃんは本当に死んでしまった。
とりあえず、僕はバッファローのなんとかいう機械を一緒に購入し、ヨドバシのお兄さんにバックアップをしてもらった。もし、その原稿がぶっ飛んだら、僕は毎日100錠分の睡眠薬が必要になる。でも、上手くいった。
僕はそのまま笹塚の自宅に戻り、シャワーを浴び、今度は代々木上原から地下鉄千代田線に乗り、綾瀬へ向かった。
こちらはパソコンどころではない「命」にかかわる問題である。
（つづく）
